「信じられる」というのは大事(富津市Y様)

      ブログコーナーで2023年07月30日から7話にわたってご紹介した富津市Y様より「お客様の声」をいただきました。長文になりますが原文をそのまま掲載させていただきます。Y様には心から感謝申し上げます。


      家を建てることを決めた日から、土地探し、ハウスメーカーの比較検討、そして住宅が完成し外構工事が終わるまで、1年ほどかかりましたでしょうか。期間が長くなった理由は、不動産屋と分譲地開発会社のミスで、私が土地を手に入れるまでにやたら時間を空費したからですが、そんな過程を振り返ってみて、最も印象を強く受けつつ、そして心に残ったことばを挙げるならば、それは「信」というひと文字になるかと思います。以下、もっと具体的に、あれこれ想起したことを書いていきます。


      ①土地を確保するまで

      不動産取引というのは、世の大抵の人は未経験でドのつく素人ですし、また相手の方はプロフェッショナル。ついでに巷の噂なんですが、業者の主張をあまり信用してはいけない、騙そうとして好き放題言ってくる、なんて話を聞いたことがあります。私の場合、たまたま職場の先輩が、土地を買うなら不動産屋で働いている知り合いを紹介するよと、親切に持ち掛けてきてくれたので、これ幸いと喜んでその誘いに応じたわけです。つまり、コネを利用して不利益を被るのを回避しようという作戦でした。もっともこれは、後に大惨事を招くことになってしまうのですが……

      また、土地の探索と並行して、どういう注文住宅を作りたいか、ユーチューブの動画やら自宅が完成したものの欠陥があって困っている人のブログなんかを周覧および参考にしつつ、予備知識を仕入れながら慌ただしく過ごすこと数か月。いよいよ住宅地の購入契約を行い、そこは新しい分譲地でまだ造成が完了していなかったですが、数週間後には住居建設が可能になりますと伝えられ、と同時に家づくりはPJホームさんにお任せすることも確定し、これなら半年後には新居で生活できるだろう、ちょうど建築部材の値上がりラッシュが起こりつつあって、なんでも早め早めに決めていかないと余分な出費がどんどんかかるという異常事態の真っただ中でしたが、いちおう手順は滞りなく、このままうまく進行していけばと素で安心しきっていました。

      ところが、先輩を通して縁ができた不動産会社勤務の社員さんなんですが、個人的理由で突然に退職せざるをえなくなり、さらにその後暫くして、PJホームさんから重大な知らせを受け、具体的には、分譲地内に敷設された新規道路は、開発行為により市道に接している一部を市に寄付をして、同じく市道になるはずなのが、どうやらその手続きがまったく行われていないようですと。なんという驚天動地の出来事! 専門知識のない私でも、法律上、道路に面していない土地に家が建設できないことは知ってますから、そこから約5カ月間、連絡すらして来ず約束も守らない職務放棄の不動産屋と、「銀行と行政が全部悪いんです」とウソを重ねて言い逃れを続ける土地開発会社に対して、ただもう面倒な交渉タイムに突入することに。

      ちなみにその、相手がウソを言っているという事実が判明したのも、PJホームさんにアドバイスされて、私が市役所の担当課に直接電話をしたから発覚したことですが、とにかくあの時期は、幾たびも社長の片岡さんにスケジュールの手直しをお願いし、工事過程の延期につぐ延期、いい大工さんを確保するためにしてあった諸々の準備の調整とか、その他様々な業者さんとの段取りの変更を強いることになりまして、本当にご迷惑をおかけしました。

      特に、分譲地販売業者との最後の会合の前日に、多忙にもかかわらず夜に君津まで来られて、助言を頂いた点などはまさしく深謝にたえないです。ともあれ、まっとうな土地を入手するのが遅れること凡そ半年、そのせいで私は数十万円の損失をかぶりましたが、この事件で世の中には碌でもない企業が存在するんだなあと、しみじみ感想を抱いた次第です。

      もっとも、困ったいざこざはここまでで、所有地を確保した後は、PJホームさんと外構業者さんとのやりとりだけですし、至極順調、私にはいい思い出しか残ってないんですね。ちなみに、私はどういう基準で家づくりをお願いすることになったか、以下、ネタ晴らし的に書いてみます。

      ②ハウスメーカーさん色々

      私は一戸建てに住むのが初めてで、子供時代はマンション、学生・成人以後はアパート暮らしなので、物珍しさから住宅展示場を多く回ってみました。モデルハウスや事務所を訪ねたのが計15か所、その中から具体的な見積もりを作成してもらったハウスメーカーが5社。全国規模の巨大カンパニーや地元との密着度合いが強い中規模のところ、あとは輸入住宅を作れる工務店さんになります。

      理由ですが、名の知れた大手でしたら、悲惨な建築失敗という結果を招く蓋然性は低いのではないか、そして地元で優良口コミの多い著名工務店なら、これも評判があるからひどい手抜きはしにくいだろう。そして輸入住宅というのは、2×4建築というのは構造上、でたらめに建てても割合しっかりできていて地震にも強い、なんて解説をネットで見まして、ついでにデザインも西海岸風とか北欧系なんかは興味がひかれますし、そういう趣向が尖りきった家の方がむしろ楽しめるんではないか、と。

      勿論、いかにもな洋風住宅だと、街並みというか、近隣の家々との外観的統一性というものを乱さないよう注意はしないとまずいですし、ただ、家というのは高額を出費してモノを作る人生の特大イベントであって、やはり魅力のある家、暮らしやすい家、帰りたい家というものを実現するのが生活の質を向上させる重要なポイントと考えられます。外見や内装いずれも、この際おしゃれ全開で心底趣味を追求して作ったならば、そこには人生を豊かにする癒しの住居が完成するんではなかろうか。そんな思慮を巡らしつつ、インターネットで「千葉 輸入住宅」で検索して、最初の方にヒットした会社のうちの1つが、PJホームさんでした。

      ③もう少し具体的に

      5社に見積もり依頼する際に、特に着目していた点が2つありました。一つは、大工さんで外れを引かないかどうか、それから、分からないことが大量にある中で、諸々のことを担当者の方と相談できるかどうか、です。

      まず、注文住宅を建てた知人から体験談をあれこれ聞いたんですが、「大工はきちんと選べ」ということを強調して言われました。例えば、いくら上手な間取りでうまい設計がなされていたとしても、実際に建築作業をする人がサボってしまうと、これはもう性能的にガッカリな建物ができあがってしまうのが必定であって、じゃあ仮に工事開始後に現場を訪問したとして、そこで何を見てどう判断すればよいか、専門知識がない普通の人には分からないわけです。一般的にはジュースなんかを持っていって、大工さんに渡して仲良くなり良好な関係を築くぐらいの方法しかないんじゃないでしょうか。

      ハウスメーカーさんにそういう疑問を投げかけてみたところ、たいていの返事は、「今は昔と違って、10年保証という制度があるんです。また、建築中に検査をするんですが、それは施工会社が外部の機関に依頼して、何度も何度も行うものです。だから住宅の性能の面に関しては、まったく心配されなくて大丈夫ですよ」と、満面の笑みで答えてくれるのですが、しかし検査といっても、基準は守れてはいるが粗雑なつくりでかろうじて合格ということもあるでしょうし、そもそも検査する側とされる側、双方が年中取引をしていて通じ合う関係でしたら、そこはナアナアのやり取りになって、アマアマな調べ方で終わるんじゃないかと。

      それから2つめの要素。いろいろと家づくりで迷う部分について、ハウスメーカーの方と相談し解決に至れるかという部分です。私はユーチューブで「家づくり〇○大学」というようなチャンネルを発掘し、そういう場所で細々した内容、例えば屋根や外壁の種類はうんぬん、換気システムの選び方や採用してはいけない設備7選とか、そんなような動画で何やかんやと予習はしてみたのですが、ただネットの情報というのは信用しすぎてもダメで、データというのは基本的に、複数箇所から取らないといけない。なので、ある程度の知識を備えつつも、やはり本職の方々に相談しないといけないと考えました。

      それで、私はハウスメーカーを最終的に計15個所回ったんですが、中には、社員さんが平日にしては随分と忙しそうで、どうもノルマ過剰で一人当たりの仕事量が多いのではないか、であれば、打ち合わせなんかも機会を設けてちゃんとはしてくれないのでは?と不安を覚える会社もありました。当然、追加料金を払えばミーティング回数の増加は可能でしょうが、ただ相手の心構えとしては、一緒にいい家を作っていきましょう的な方向にモチベーションを持ってもらうのは難しく、そこの社員さんとしては、各々に課せられた売り上げ目標の達成とか、そういう部分が主たる関心事になるんではないかと、とても気がかりになりました。

      結局、多くの会社の方々と話をしまして、もっともいい返事をもらえたのが、PJホームさんでした。社長の片岡さんがいらして、契約までにお会いしたのが合計4回。2度目の購入予定地の視察+面談の時に、疑問点の多くが解決しまして、この時点で有力な候補の一つになりました。

      ④2度目の面談

      その2度目の面会時の出来事です。実はですね、これは事前にホームページを閲覧した印象からなんですが、てっきり輸入住宅オンリーの会社なのかなと考えていました。それも、かなり価格が高めな、例えばスウェーデンハウスとか、そんな感じの高級住宅を推されてしまうんじゃないかと。最初に資料請求した時には、パンフレットを郵送ではなくわざわざ手渡しで持ってきてもらいましたし、しかも名刺を見たら社長さん。いたれりつくせりな対応をしてくれるかわりに、お値段も高レベルにかかるハウスメーカーさんなのかなと。そういう方向の質問をしたら、いや我が社はぬり壁が得意ではあるけれども、別に輸入住宅専門でやっているのではまったくないです。価格面について言えば、モデルハウスを持っていない小さな工務店ですので、余計な経費がかからないため、その分建物を割安で提供できていますと。

      さらに提案もされて、昨今は特に外国産木材価格の上昇がすさまじく、輸入住宅だとだいぶ割高になってしまいます。国産のヒノキを使った在来工法で建てた方が安価になるので、外観だけ洋風に整えて、構造は日本式建築で建てる方法もありますよと。さらに、大工さんの質が気になるという話ですが、うちは長い付き合いのあるキチンと仕事をする、腕の確かな大工さんに頼んでいます。それから検査を行う機関は数多ある中、1番厳しく審査するところに依頼をしているので、そういう住宅品質については、むしろ私は自信をもって大丈夫と胸を張ることができます。

      そんなことを喋っているうちに、徐々に漠然たる信頼感が生まれ始めまして、そんな心理をいしずえにして、さらに込み入った会話をしていった記憶があります。

      例えば、まずは家のこと。断熱材はとある輸入住宅の会社だと、「うちではグラスウールを使用してます」と言われまして、厚みはこれこれですと書類渡されたんですが、どんなもんでしょう。あるいは、インターネット上では、サッシはアルミ複合ではなく樹脂サッシを選べと言われてますが、値段も考慮しないといけませんし、千葉の南部だといかがなものでしょうか。太陽光発電は乗せろっていう声と、止めた方がいいという反論がありまして、見解を聞かせ願えますか。アメリカンスタイルだと屋根は北米で定番品(ファイバーグラスシングル)を使うのがお決まりらしいですが、2年前に富津市は台風で瓦が飛ばされる家が多数発生しまして、建設地も海まで1キロで風が強いもので、屋根材が剥がれたりしないでしょうか。

      それからPJホームさんのこと。ホームページに年間で3棟しか建築しないと書いてましたが、経営上はそれで別に支障はないんでしょうか。これはやや不躾な問い掛けでしたが、普通に答えてくれました。曰く、口コミやOB施主様からリホームを依頼されることが多くありまして、だから問題はないです。それから年間3棟というのは、昔は実はそういうやり方はしてなくて、あの頃は会社の規模が大きくてもっと社員もたくさんいたんですが、多人数のスタッフがお客にかかわると、意思の疎通に齟齬が生まれることが多いのではないか、つまり、要望を完璧にはかなえられなくなる、そんな迷いが生じまして、だから会社を小さく作り直して、打ち合わせには全部自分が足を運んで自分1人で対応する、それがお客の充実感を最高に引き上げる方法ではないかと考えたんです、と。

      この時は、詳細見積もりを作るので、もう何週間かいただけますか、と伝えられてその場はお開きになりましたが、内心ではほぼ、PJホームさんに依頼で決まりかなという気持ちでした。

      ⑤契約後から建築完了まで

      結局、家が完成するまで何回打ち合わせしたのかなと確かめてみたら、合意事項について記した紙、「〇月〇日 こんなことを決めました」と記されたメモランダムの枚数を数えると、15回以上お会いしてるんですね。それも、毎回君津の喫茶店まで来てもらって、これは非常に助かりました。なにせ私休みの日が少ないものでして、おかげで不都合なく話し合いを繰り返すことができ、熟慮しつつ物事を決めていったことで、良い家を作るのに大きく貢献しました。

      私は最初、特にこだわりがあるでもなし、ミーティングはそんなに多くはかからないのではないかと、若干たかをくくっていたのですが、特にクロスやフロアタイルの選択でつまずき、かなり迷妄しました。なにせ主要メーカーだけでも商品の種類が膨大にありますから。あの時はサンゲツやリリカラの見本ファイルを、両手に持ちきれないほど何冊も抱えて持ってきてくれた光景を覚えています。クロス屋さんの意見も聞いたり、種々の提言をもらいながら、しっくりくる壁および床材を選び取ることができ、格好のいい家を作ることができたと思います。

      それから、明確に口に出したか定かではないんですが、地震に対する強さという面を、幾分気に留めていました。というのは1995年、阪神淡路大震災の時、私は名古屋にいたから被災はしていないですが、翌年に兵庫県の大学に行きましたら、損傷した建物や土砂崩れで通行止めの道を目の当たりにしたり、関西に住んでいる友人の中には、地震で親戚や親を亡くしたとか、そんな過去は珍しくなく……

      2011年の東日本大震災、埼玉にいた私は損失ゼロですが、私の勤めていた会社の子会社が莫大な被害を受けました。所在地は岩手県。なので、職場の通知板には津波で壊滅し瓦礫の山と化した事業所の写真や、社有車で逃げながらも津波に追いつかれ、しかし車体が樹木に引っかかったおかげで九死に一生を得たという体験談、その他に寄付のお願いやらなにやら。今も能登半島は正月から罹災してひどい目にあっていますが、最初に2×4は揺れに強いならいいなとか、大工さんはちゃんと仕事をしてくれる人なら万々歳とか言っていたのはそれも理由です。

      それで建築が始まってからですね、場所が私の勤務先から近かったもので、仕事が昼すぎぐらいに終わる日には、待ち合わせて片岡さんと一緒にちょくちょく見学をさせてもらいました。そこは新規分譲地ですから、当然近隣にはビルディング中の建物がいっぱいありまして、そうすると、自然に「差異」というものが垣間見えてきたりします。

      例えば、基礎工事の段階で、「配筋」と呼ぶんでしょうか、鉄格子のようなもの。基礎の寿命や強度に影響するということですが、私の家を見るとその密度が高いのに対し、近隣の住宅は金属の量・精密さがあからさまに低い。勿論それでも検査は合格するんでしょうが、一般人では分からない、こういう部分で明確な差が出てくるのだなと。

      他には、柱を組み終わった状態の時に、我が家は重量のかかる部分は全部ヒノキですが、近辺宅では杉の集成材を使用しているところも。別に他所の家をジロジロ見ているとかでなくて、道路際なんかに木材が仮置きされていて、普通に歩いていればその木に貼付されたラベルによって識別ができますから、そうすると、あちらさんの住宅は大手メーカーで私よりも高い金額を払っていると思うのに、材木の質は低いという、まあ気の毒だなあと。

      他にも、作業している人たちがどうも不機嫌そうに働いている区画とか、工事の過程の順番がおかしな建物とか、ハウスメーカー多々あれ、内実は色々だなと。そんな諸々の事象を瞥見しながらも、私の家は大工さんはもろちん、電気関係や外壁屋さん、水道にクロス屋さんなど、多種多様な方たちと出会いまして、巧みな仕事をしてくれる職人さん、ここはこうした方がいいと提案してくれる方々、皆さんの友好的な協力を頂戴して立派な住宅が完成したことに、とにかく感謝いたします。本当にありがとうございました。

      ⑥「信」ということ

      終わりに、文頭で記した「信」ということについて。

      家が完成した後、さらにひと作業、外構を作らなければなりません。ここも3社ぐらいから見積もりを取って契約しようかと思案していたのですが、どうも年度末というのは建設会社は繁忙期なようで、我が家を視察後に、約束していた期日になっても見積もり書を送ってこないところもありました。こちらから電話・メールしてもまったくの無応答。もっとも、連絡が取れたところで、いい加減な作業をされても困りますから、その会社と取引する可能性は当然消滅しましたが、やはりここでも「信じられる」というのは大事だなと感じました。結局は、片岡さんと付き合いのある業者に任せることになりまして、価格もいい感じで理想の庭が作れたので、最初から最後まで、PJホームさんを選んでよかったとしみじみ思います。

      さて、打ち合わせの際は、仕事の内情話やら気楽な閑談も交わしましたが、その際にひとつ、心の中に浮かんでいたことばがありますので、それをここで打ち明けて、この長文を締めたいと思います。昔、小学校時代に国語の教科書で見て覚えているんですが、足尾銅山鉱毒事件・田中正造に関わる説話です。この人が、政治家になることを決意した時に、父親から贈られた歌。

      死んでから 仏になるは いらぬ者 生きたるうちに よき人となれ

      本来は仏教の教えらしいのですが、要は「よく生きろ」という意味で、これを働き方について言うならば、仕事というものは世の中に多種多様、千姿万態に存在しますが、労働の様式のもっとも最善なあり方は、真面目に仕事をして見事な成果を残しつつ、相手にも満足してもらいながら、ついでに業務に参加した仲間全員が、余すところなく喜ぶのが本当でしょう。

      片岡さんをはじめ、携わって下さった皆様方に、重ねてお礼を申し上げます。ありがとうございました!

       

      【ブログ】

      富津市Y様 ①会社の先輩から紹介された不動産屋

      富津市Y様 ②会社の先輩から紹介された不動産屋(続き)

      富津市Y様 ③大手ハウスメーカーのずさんな工事

      富津市Y様 ④大手ハウスメーカーのずさんな工事(続き)

      富津市Y様 ⑤出張お打ち合わせ

      富津市Y様 ⑥アーリーアメリカン&こだわりのブルー

      富津市Y様 ⑦出会ったお客様一人一人が財産

       

      「お客様の声」をさらに読む≫